大野湊神社のタブ−ケヤキ林(1)

大野湊神社のタブ−ケヤキ林の概観
 (2003年9月17日撮影)

●概要 

 金沢市寺中町。面積0.5ha。比較的海岸に近い社叢林で、イノデ−タブノキ群集のケヤキ亜群集として識別されている自然性の高い林として、「いしかわレッドデータブック」(文献14)では「大野湊神社のタブ−ケヤキ林」として保護を要する植物群落に選定されている。

大野湊神社境内
 (2003年9月17日撮影)

 大野湊神社の起源は、727年(神亀4年)猿田彦大神を、すでに鎮座されていた神明社(祭神・天照大神)の傍に勧請したのが始まりといわれている。
 この神明社の創設は不明であるが、猿田彦大神と天照大神を合祀して、この社を大野郷(旧宮腰・現金石町)の湊の守護神として大野湊神社と称されるようになったという
(現地の看板より引用)

大野湊神社本殿
(2003年9月17日撮影)

 建長年間(1250年頃)、社殿を焼失して現在地に遷座した。その後、一揆の乱により社殿を破却したが、天正年間(1580年代)、前田利家が再興した。寛永年間(1630年代)に3代藩主前田利常により奉納された本殿3棟は県文化財に指定されている(文献24)

大野湊神社外苑
(2003年9月17日撮影)

 社叢林には外苑が隣接しているほか、西側は大野湊緑地公園として整備されており、北側には銭屋五兵衛記念館や銭五の館がある。

●アクセス

 ・北鉄バス寺中下車。
 

●現地紹介

大野湊神社本殿前の狛犬
ノキシノブが着生している
(2003年9月17日撮影)

 大野湊神社へは海岸林巡りなどのついでにこれまでも数回訪れているが、2003年9月17日、改めて自転車で金石街道をひたすら走って大野湊神社へと向かった。境内には数人の参拝者が訪れていた。本殿の前には頭部が欠けた狛犬があり、ノキシノブがびっしりと着生していた。こんなところからも由緒のある神社であることが感じられる。

樹幹に穴が空いたケヤキ
(2003年9月17日撮影)

 境内や社叢には胸高直径1m以上ありそうなケヤキの巨木が何本も生育している。樹幹が空洞化していたり、キヅタやノキシノブが多く着生しているものもある。

樹幹にノキシノブやキヅタが着生したケヤキ
(2003年9月17日撮影)

 いったいどれほどの樹齢だろうかと思ったが、容易に年輪を読めそうな巨木は見当たらなかった(「NEXT」へ続く)。

 

 ■引用文献一覧