波自加弥神社のスダジイ林の概観
(2003年7月20日撮影)
●概要
金沢市の最北部、津幡町との境界近くに位置する波自加弥(はじかみ)神社のスダジイの社叢林。
スダジイに覆われた波自加弥神社境内
(2003年7月20日撮影)
717年(養老元年)に現在の地より2kmほど後方山手の四坊高坂(しぼうたかさか)の黄金清水(おうごんしょうず)で創建されたが1183年の源平北国合戦のおり、兵火によって焼失し、現在地にあった田鹿八幡宮に並んで遷座され、その後、「波自加弥神社・正八幡宮」として合祀された(波自加弥神社のパンフレットより引用)。
波自加弥とはショウガの古名。波自加弥神とは、歯で噛んで辛いもの、すなわちショウガ、サンショウ、ワサビなどの祖神である(波自加弥神社のパンフレットより引用)。
波自加弥神社のスダジイ林
(2003年7月20日撮影)
金沢市の神社171社を対象に社叢林の自然度をa〜bの4段階に区分して調査した報告書(文献40)においては、「自然林段階b」と評価されており、金沢でも比較的自然性が高い社叢林をもつ神社とされている(金沢市では「自然林段階a」は皆無、「自然林段階b」は合計10社)。
社叢林の面積は約0.3ha。高木層にスダジイが優占するやや自然度の高い社叢林として、「いしかわレッドデータブック」(文献14)では「波自加弥神社のスダジイ林」として保護を要する植物群落に選定されている。
●アクセス
・国道8号線を津幡方面へ北上。二日市町交差点右折。
●現地紹介
波自加弥神社の参道
(2003年7月20日撮影)
2003年7月20日、友人に誘われて社叢林巡りのひとつとして、波自加弥神社を訪れた。遠くから見てもこんもりと繁ったスダジイの優占度の高い樹林であることが分かった。
参道や境内の上層は、スダジイなどの常緑広葉樹に覆われているので昼間でも薄暗い。
波自加弥神社境内のスダジイ
(2003年7月20日撮影)
境内にもスダジイの巨木が何本か生育しているが、スダジイ林としてまとまっているのは、社殿に向かって左側である。社殿の周辺はスギ植林やアベマキなどの落葉広葉樹林となっている
波自加弥神社のスダジイ林
(2003年7月20日撮影)
林冠にはスダジイが優占するほかタブノキが混生し、林床にはシロダモやヤブツバキなどの常緑広葉樹のほか、ササが繁茂しているところもあった。
林床が暗いことやササが繁茂していることによって比較的林床の種の多様性は低いように思われた。
波自加弥神社境内のスダジイ
(2003年7月20日撮影)
境内にはしめ縄をつかたスダジイの巨木があった。胸高直径は50cm以上はあると思われた。